一旦はブロック化された形で発達した心が、やがてブロックの統合を行う時期を迎えます。
意識があるブロックに位置すると、本人にはそのブロックが自分であると認識されるので、色々なブロック同士が統合されるという現象の中では、どれが本当の自分かという混乱が生じやすくなります。一般的に思春期と言われているこの時期の特徴は、この自意識の調整の問題があるのです。内在者理論では、自我状態の「一次統合期」と呼んでいます。
以前は、12〜20歳くらいと考えられていましたが、現在の日本では、30歳を過ぎても思春期を終えていない人が、多くおられるようです。もし、自我状態の統合に失敗すると、自分というまとまった意識を持つことが難しくなり、病的状態になりやすくなります。
昔は、ブロック型拡張期とそれに続く一次統合期は、十分効果的に働いていたし、それほどの問題にはなりませんでした。自分の親も、友達の親も、大体同じ生活をしていたし、父親はおじいさんと同じ仕事をしていたし、自分もそれを継ごうと考えたりしていたからです。つまり、心のブロック構造は、比較的単純だったのです。
ところが、最近の青少年は、なかなか望ましい精神状態になれなくて悩んでいる人が多いようです。価値観の多様化。時代の早い変化。核家族化で、孤独な時間。そんな状況が、心の中の内在者ブロックを、これまでになく複雑にしてしまっているのです。
それに加えて親の世代が、自信を持って子どもに接することが、難しくなってしまいました。敗戦の影響もあるでしょう。しかしそれ以上に、あまりにも時代の変化が早いために、親の教えたことが子どもの世代では通じなくなってしまった事情が挙げられます。こうなると、子ども達は親そのものに不信感を持ってしまうのです。子ども達は、心の中心にある両親の内在者、つまり自分自身に不信感を持つのです。
昔なら何でもなく心をまとめて成人して、立派に生活できたはずの人々が、病的な状況に苦しんでおられます。昔と同じ方法では、子どもは健康に育ちにくくなっているのです。
図7: 一次統合期
これらの困難を軽減するためには、なんと言っても両親との関係が重要になります。前章でも書きましたが、親の内在者は、私たちの心の中心的な役割をしていますから、この内在者をしっかりと活用することが大切です。これは、何も両親の言いなりになることではありません。
もしこの時期に、両親との関係が思わしくなく、精神的な問題が起きてしまったらどうしたらいいでしょうか。
内在者理論は、自己統合のノウハウそのものですので、これを学んで頂ければ大丈夫です。詳しくは、次章の「心の基本的な問題」で説明させて頂きます。